高速道路を使用する上で欠かせないアイテムとなったETC。
その非常にスマートに高速道路を利用できるようになったETCの車載器についてですが、今回は
電波に関する法律の改正で使えなくなる「ETCの2022年問題」についてと、
通常のETCとETC2.0の違いやメリットについても話していきますのでどうぞご覧ください。
電波法関連法令に抵触する古いETCの2022年問題ってご存じですか?
簡単に言うと、「限りある電波の周波数帯を有効に使おう」という理由から、電波に関する法律の一部改正がされます。
これによって古い規格のETC車載器が違法とされ、使用できなくなる「ETCの2022年問題」と呼ばれるものがあります。
但し、
電波法関連法令の改正により、一部のETC車載器は2022年12月1日以降ご使用すると電波法違反になるとされていましたが、令和3年総務省令第75号により、※新スプリアス規格への移行期限が「当分の間」に改正されました。
国土交通省
とは言え、移行期限が伸びただけなので、ゆくゆくは使えなくなるETC車載器があるという事を知っておいて下さい。
※新スプリアス規格とは簡単に言うと、不要な電波の新規格
まだ現段階で(2022年4月)「いつまで」と公表はされていませんが、
移行期限後にそのまま使用すると法律違反になるという事と、実際の使用の際にゲートが開かない可能性があります。
前もって新基準に準拠するETC車載器を準備しておきましょう。
次のコーナーではその機種について紹介しておきたいと思います。
近い将来、使えなくなるETC車載器があります。
日本の4輪用の車載器メーカーで旧規格の物を記載してみましたのでお手持ちのETC車載器が対象かどうか確認してみて下さい。
デンソー
- DIU-3102
- DIU-3104
パナソニック
- C03002T
- C03002B
- CN-RX0600AK
矢崎
- ETC-YM2N
- ETC-YM5
クラリオン
- ETC920
日産(ビルトインタイプ)
- 0222
- 0260
- 0266
- 0294
- 0318
日産(汎用タイプ)
- 0112
- 0223
- 0253
- 0266
- 0291
- 0319
- 0320
その他、改定後の規格に全て合致しているメーカー
三菱電機、古野電気、カロッツェリア、イクリプス、アルパイン、ケンウッド、トヨタ、ホンダ、スバル、スズキ、三菱純正。
セキュリティに関するETC2030年問題
今回ご紹介しているのは電波法の改定が理由のETC2022年問題ですが、近い将来の2030年ごろにセキュリティに関する規格変更を予定しているETC2030年問題というものもあります。
詳しくは次の記事にて詳しくご紹介しておりますので合わせてご覧ください。
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ETCとETC2.0の違いとは?
ETC2.0とはそれまで料金を自動で支払うだけの機能を持つETCの進化版です。
ETC車載器も専用の物となります。
ETC2.0で何が出来るのかそのメリットとは
ではどう進化したのかというと、まだ実験段階の物もありますが、下記の機能が増えました。
- 交通情報取得
- 交通情報を得られる範囲拡大
- 受信した情報からの最適なルート案内
※以下はまだ一部の場所に限ります - ETC2.0専用の優遇割引(東京付近の圏央道のみ)
- 一部の道の駅利用時の為の一時退出・再進入が追加料金無し
交通情報取得とその範囲拡大
全国の高速道路に設置されたアンテナ「ITSスポット」からETC2.0対応車載器とカーナビを連動して渋滞などの交通情報を受信します。
以前の交通情報の取得範囲は、そのサービスによって都道府県だったり最大200㎞でしたが、ETC2.0では最大1000㎞と大幅に拡大されています。
受信した情報をとナビを連動させ、最適なルートを案内
昔の交通情報の取得と言えば、単に情報を受信するのみで、ルート変更は自分で考えなければいけませんでした(汗)
ETC2.0車載器と対応しているナビを導入する事によって、得た交通情報をナビと連携させ、渋滞を迂回するルートを把握する事が出来る様になりました。(ナビ連動が無い場合は音声案内)
しかもその情報はリアルタイムなので、最新の情報で渋滞を回避する事が出来るようになりました。
ETC2.0だけの割引(注)
(注)東京付近の圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名JCT、海老名~木更津JCT)と、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)のみの割引ですが、ETC2.0のみの割引を受ける事が出来ます。
一般財団法人 ITSサービス高度化機構のHPを確認すると、普通車で1㎞辺り約25円程の割引でした。
今後の範囲拡大してくれる事を期待します!
一部の道の駅利用時の為の一時退出・再進入が追加料金無し
まだ一部(23ヶ所限定)の道の駅での実験段階ですが、
下道の「道の駅」を利用する際に一時退出をしても(一時退出)しなかった時と同じ料金で高速道路の利用が出来ます。
それまでは高速道路を一旦降りると、再度高速道路に戻るときに、あらためて初乗り料金が必要でした。
利用の為の条件や対象の23カ所についての詳細は
一般財団法人 ITSサービス高度化機構のHPをご確認ください。
ETC車載器の値段はどのくらい?
では、色々と便利なETC2.0ですが、車載器の価格はいくら位なのか現時点(2022.4)での相場を調べてみました。
価格ドットコムや楽天市場で確認してみると、車載器本体のみの価格で¥15,000~¥35,000位でした。
価格差ですが、ナビ連携が可能かどうか、アンテナが一体型か分離型か、交通情報の受信方法に違いがあります。
因みにETC1.0は¥5,000~¥15,000位でした。
とにかく初期投資を抑えて支払い機能だけあれば良い。便利機能は要らない。という方にはこちらでも良いのかもしれません。
ETC車載器の取り付け工賃とセットアップ料はどのくらい?
ETC車載器導入の費用としては大きく下記の3点が必要になります。
- ETC車載器本体代金
- 取り付け工賃
- セットアップ料金
ここでは取り付け工賃とセットアップ料について紹介します。
車に取り付ける工賃。
こちらは取り付けにかかる時間によって左右されますが、カー用品の大手量販店で車載器を購入した場合で¥3,300~4,400(30分~)でした。
次にセットアップ料。
これは車載器に車両情報を登録する作業で、不正防止のために高度なセキュリティ処理が必要な為、ETC加盟店でしか登録出来ません。
そのセットアップ料は通常のETCかETC2.0か、また店舗によって多少の差があり、¥2,500~3,500(20分~)でした。
~まとめ~
- ETCの2022年問題とは、古い規格で製造されたETC車載器が電波法の改定によって2022年の12月~使用不可となる機種があるという事。
- その移行期間は現段階では当分の間とされている。
- ETC2.0とは広範囲の交通情報がリアルタイムで取得でき、ナビに最適なルート案内を連動させる事もできる。(対応機種のみ)
- 一部ではあるが、ETC2.0専用の割引や、特定の道の駅利用の為の一時退出・再侵入が追加料金無し等の優遇制度がある。(現在は実験段階)
- ETC2.0車載器の価格は¥15,000~¥35,000が相場。
- その他には取り付け工賃(¥3,300~4,400(30分~))とセットアップ料(¥2,500~3,500(20分~))が別途必要。
あなたのカーライフが少しでも良くなります様に。
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