車の冷却水(クーラント)の役割と交換のタイミングと必要性

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ラジエーター クルマの基礎知識

車のエンジンは高温で動作するため、適切な冷却が必要です。そのため、車には冷却水(クーラント)が必要となります。冷却水の役割や交換のタイミングについて知っておくことで、車の故障やトラブルを未然に防ぐことができます。
この記事では、車の冷却水の役割や交換のタイミングについて詳しく解説していきます。車を所有している方やメンテナンスに興味のある方は必見です。

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冷却水(クーラント)の役割

熱くなり過ぎたエンジンの冷却

エンジンは空気と燃料を圧縮・燃焼させることで熱が発生し、そのままでは高温になり過ぎて故障してしまいます。
冷却水(クーラント)はその名の通りエンジン内部の水路に入り込んで熱を吸収し、エンジンを冷却します。
エンジン内部から熱を奪った冷却水は、車の前部に設置されたラジエターで冷やされ、再びエンジンに戻ってエンジンを冷却します。

エンジンが機械的に快適に動作できるよう、適切な温度を保てる様、水路の途中にサーモスタットという弁があります。このサーモスタットはエンジンが冷えている時は閉じていて、(車種ごとに異なりますが)大体80℃前後で開き、冷却水が循環します。

冬場のエアコンの熱源

冬場、車のエアコンの温風の熱源はどこからきているかご存知でしょうか。
答えはエンジンを冷却した際に熱くなった冷却水の熱を利用しています。


そのため、冬場にエンジンが温まった状態でエアコンのA/Cをオフにして送風にすると、暖かい風は出てくるが、エンジンが余計なパワーを使わないので若干の燃費向上に効果があります。

余談ですがスポーツカー等、パワーを求める車の熱量はものすごく、冷却水もより冷えた方が良いです。
その為冷却水が良く冷える様にチューニングすると、その弊害として冬場にエアコンが効きにくくなります。

また、エンジンは適正な温度まで温まるまではコンピューター制御によって早く温めようと燃料を多く吹きますので燃費も悪化します。

冷却水(クーラント)のその他の性能

冷却水が正常な性能を発揮するように主に下記の添加剤が入っています。
●不凍液
単純にエンジンの冷却のみを求めるのであれば水道水でも構いません。しかしながら日本で生活する上では気温が零下になる事もあります。不凍液とも呼ばれる冷却水には不凍効果のある添加剤が入っています。
●防錆・防腐剤
普通の水ではエンジン内を錆させたり、細い水路を詰まらせてしまいます。水路に錆を発生させないよう防錆剤が添加されています。また、冷却水自体が腐ってしまわない様に防腐剤も添加されています。
●消泡剤
冷却水を循環する際にウォーターポンプを介しますが空気がエンジンの水路に混入すると冷却効率が悪くなります。そのため、消泡剤が添加されています。

冷却水(クーラント)の種類

●色
冷却水の色に関しては見た目の違いがあり、点検や漏れた際の視認性が良い色が使われている事が多いです。緑、ピンク、黄色、青が多く使われています。
●性能
見た目では分かりませんが、
・スーパーLLC(ロングライフクーラント)⇒通常よりも交換サイクルが長い冷却水で、最近の車に純正で入っている。メーカーにもよるが10年位無交換と取扱説明書に記載されている物もある。
・熱効率の良いスポーツクーラント⇒スポーツカーやサーキットを走る車に使われる。

冷却水(クーラント)の点検は必須。でも火傷の危険性もあるので注意!

ラジエーター

写真の(オレンジの丸いシールがある)金属キャップはエンジンが温まるとこれも熱くなり、膨張して圧力もかかってくるので、走った直後は開けない事!(間欠泉の様に勢いよく吹き出します)
水量の点検の際に確認するのは白いプラスチックのタンクに黄色いキャップが付いたリザーバータンクと呼ばれるもので、この黄色いプラスチックを開けて上から見るか、次の写真の様に横から見るかして点検してください。

リザーバータンク

写真の様に黒っぽい液体(実際は緑)が白いプラスチックのタンクに入っているのがリザーバータンクと言って、冷却水が循環する際に調整用に貯めておくタンクです。
上限と下限の線が2本ありますが、その間にあれば良いです。エンジンが温まって循環すると冷却水が戻ってくるのでタンク内の量が増えます。下限より下回っている場合は補充してください。
※写真は補充し過ぎて上限よりも超えています(;´Д`A “`

漏れなどの点検

ラジエーターホースのラジエーター側

先ず匂いですが、冷却水(クーラント)が漏れていると甘い匂いがします。
写真手前のモスグリーン色(新品は黒)の樹脂の物がラジエータータンクですが、この樹脂タンクの周り、ラジエーターに止まっているキャップ、タンクに繋がっているホースの周りが冷却水(クーラント)で滲んでいないか、逆に乾燥して白い粉の様な物が付着していないかを確認します。

ラジエーターホースエンジン側

写真の黄色いオイルレベルゲージ手前にホースが繋がっていて、反対側は先程のラジエーターと繋がっています。
これもホースの先端部分が冷却水(クーラント)で滲んでいないかを確認します。
また、目安として新車から7年以上経過している車は樹脂部分の劣化が徐々に見え始めます。
ラジエーターホースも樹脂製品なので熱で劣化していくため、エンジンが冷えている時に手で掴んでみて硬化していないか確認しましょう。

ラジエーターキャップについての関連動画です

冷却水(クーラント)・ラジエーター関連商品

こちらは補充用の冷却水(クーラント)で、使用後に容器がかさばらないタイプです。
薄めたり希釈を考えるのが不要で、そのまま使えます。

こちらは以前の愛車に後付けの水温計を使っていた時、明らかに純正の冷却水(クーラント)よりも温度変化(エンジンの熱を奪う早さ)が早く、メーターの変化の違いが分かりました。
純正のスーパーLLCよりもスポーツ走行に向いていますが、交換サイクルはそれよりも短いので詳細をご確認ください。

ラジエーターキャップにはどの位の圧がかかった時に弁が開いてリザーバータンクへ戻すのかという数値があります。(例:0.9、1.1、1.3kg/cm3等。108kPa等の単位の物もあります。)
この弁も熱で徐々に劣化しますのでエンジンが冷えている時にキャップを開けて弁が硬化していたら交換してください。そんなに高い物でもないので車検の際に交換しても惜しくないと個人的には思います。
弁が開く数値は今付いているキャップに書かれていますので同じ数値の物をお勧めします。

最近の交換サイクルは長期化している。

LLC取説

一昔前の車は車検のたびに(2~3年毎)ブレーキオイルと共に冷却水(クーラント)も交換していたこともありました。
しかし最近では冷却水(クーラント)の性能も向上して、スーパーLLCと呼ばれる物が
純正で使われており、(メーカー・車種にもよりますが)写真の取説の様に1回目の交換時期は11年22万㎞(どちらか早い方)と指定されています。

冷却水(クーラント)の廃棄は適切に

冷却水には危険性があります。例えば、冷却水に含まれるエチレングリコールは、甘い匂いがするためにペットや動物にとって誘惑的に映り、誤って飲んでしまうことがあります。
エチレングリコールは有害な物質であり、摂取すると命に関わることもあります。そのため、冷却水は、ペットや動物の手の届かない場所に保管することが重要です。

また、冷却水を廃棄する際にも注意が必要です。冷却水には、環境に悪影響を与える成分が含まれているため、適切な方法で処理する必要があります。冷却水を捨てる場合は、自治体の指示に従い、汚染を防ぐために処分することが必要です。

一般的に、冷却水は、専門のリサイクル業者によって回収・再利用されます。しかし、廃棄する場合は、地下水汚染や健康被害などを引き起こす可能性があるため、適切な方法で処理することが重要です。

冷却水には、危険性があることがありますが、正しい取り扱いをすれば、安全に使用できます。取り扱いについて、正しい知識を持ち、適切な処分方法を実践することが環境保護につながります。

~まとめ~

●冷却水はエンジンが快適に動作できるように熱くなり過ぎない様に冷却する。
●温まると冬はエアコンの熱源になる⇒エンジンが温まった際にA/Cをオフにして送風にすると僅かに燃費が良くなる傾向にある。
●冷却水には添加剤により不凍・防錆・防腐。消泡・効果を持たせている。
●漏れた際に気づきやすい様に色は鮮やかな物が使用されている。
●火傷防止の観点からも点検は運航前(エンジンが冷えている時)にする。
●冷却水の交換サイクルは車種・年式によって異なるので取説を確認する。
●冷却水に含まれる成分には有害な物が含まれているので廃棄の際は業者に依頼する。

あなたのカーライフが良くなります様に。

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