プレセット型トルクレンチの使い方と保管方法紹介。2回締めの必要性についても解説。

トルクレンチ クルマの基礎知識

DIYや車やバイクなどの簡単な整備をご自身でやってみようという方向けに、トルクレンチの使い方保管方法、Wチェックを行う際の2回締めの必要性について解説します。

車載工具では正確にはどのくらいの力でホイールナットを締めて良いか分からない為、こだわり派の方は是非読んでいただきたいです。

こんな方に読んでいただきたい

  • 簡単な点検は自分でやってみたい。
  • DIY初心者
  • ホイールナットはどれ位の力で締めたら良いの?
  • トルクレンチって何?

トルクレンチってどんな工具?

トルクレンチ使い方
今回紹介するのはカー用品店等でも入手しやすいプレセット型のトルクレンチです。

※サイトによっては「プリセット型」との記載もありましたが、有名工具メーカーのサイトには「プレセット」ありましたのでこれで統一致します

写真の様な工具で、どのくらいの力で締めれば良いかが分かりますので、締めすぎや、締めが足りない状況を回避できます。

どの部品が何N.mで締めるのかは、ディーラーで確認するか、ホイールナットであれば取扱説明書に記載されています。

車種によって異なるので確認が必要ですが、ホイールナットは軽自動車で大体80~100N.m、普通車で大体100~120N.mです。

ボルトやナット類の場所毎に決まっている締付トルクに設定して締めていき、設定値に達すると「カチッ」という音と共に軽いショックで知らせてくれます。

なぜトルク管理が必要なのか

ネジやボルトなどの金属は締める時にごく僅かに伸びていて、それが戻ろうとする力で固定されます。
専門用語で「弾性域締め(だんせいいきじめ)」と呼ばれます。
伸びていた金属は元に戻るので、ホイールの付け替えの様に何度も脱着が出来ます。

また、オーバートルク、いわゆる締めすぎてしまうと伸びていた金属が戻らなくなり、最悪のパターンだとボルトをねじ切ってしまう事もあります。
専門用語で「塑性域締め(そせいいきじめ)」と呼ばれています。

ただし、この締め方にはメリットもあって、弾性域締めよりも強固に締める事ができる為、エンジン等の重要な場所に用いられます。
デメリットはボルト類の再利用ができないという事です。
 

ゼムクリップ

身近な物だと書類数枚をまとめる時に使用するゼムクリップがイメージしやすいのではないでしょうか。
大きさによりますが、数枚程度なら何度も繰り返し挟む事ができます。(弾性域)
しかし、一旦数十枚の書類を半ば無理にとめてしまうとクリップが伸びて戻らなくなってしまいます。(塑性域)

プレセット型のトルクレンチの構造

トルクレンチ構造
引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Torque_wrench

プレセット型のトルクレンチの構造ですが、上記の【上の図】の様に本体のチューブ内にはコイル状のバネが入っています。
トルクはグリップ(図ではグレー)の部分を締め付けていく事で調整します。

【左下の図】の様に設定トルクまでは成立を保っていますが、設定トルクになった瞬間【右下の図】の様に青い部分が傾き、赤い「コロ」と呼ばれる部分も傾きます。
この時にチューブ内の青い部分が内壁に当たって「カチッ」という音とショックが出ます。


因みに図の引用は海外の物だからなのか反時計回りにレンチを回す状況の図でした。
(一般的には時計回りに回す時にトルクを測定します)

トルクレンチの使い方

それでは実際の写真も交えて解説していきます。
トルクのメモリ
上の写真の様に本体にトルク値が刻んであり、グリップの上部にも目盛りが刻んであります。

トルク値
設定したい数値までグリップを締めこんでいき、本体の主目盛りの中央の縦の線に、グリップの「0」を合わせると丁度の数値になります。

設定トルクの1桁目が0以外だとグリップの方の副目盛りを本体の主目盛りの中央の縦の線に合わせます。

ロックつまみ
合わせたらズレない様にグリップエンドにあるロックつまみを締めておきます。

トルクレンチとソケット
ご自身のお車のホイールナットのサイズに合ったソケットを選択します。
ホイールの形状によっては延長のバーもかませた方が作業がしやすいでしょう。

締め方
レンチのヘッドを支えて、ゆっくりと締めていきます。
一度「カチッ」と鳴ったら直ぐに力を抜きます。


写真のホイールは5穴なので星を一筆書きするように締めていきます。
4穴は締めた所から遠い対角線上を締めていきます。

Wチェック・2回締めの必要性

チェックの意味なのか連続で「カチカチッ」と締める方が居るというのを時々見聞きします。

「カチッ」と鳴った時点でそれ以上の力がかからないトルクリミット構造のトルクレンチであればオーバートルクを防ぐ事ができますが、通常のトルクレンチは「カチッ」と鳴ったまま力を加えると設定値以上に締まってしまいます。
当方はその方法でのWチェックは推奨しません。

Wチェックの正しい方法というのは、5穴のホイールであれば1度5個のホイールナットを締めた後もう1巡5カ所ゆっくりと締めます。これで締め忘れ防止の為のWチェックになります。

トルクレンチの保管方法

トルク範囲

写真のトルク設定範囲は30~180N.mです。

使用後に保管する際は最低トルクに合わせてから保管してください。

物によっては最低値よりも下げる方向にグリップが回ってしまう物もありますが、それだとバネを伸ばす方向に力が加わりますのでNGです。


~まとめ~

  • 車やバイク等の各部品にはボルトやナット類で固定されているが、場所によって締める力が決まっている。
  • それを規定トルクと呼び、その数値まで締まった時に確認できる工具がトルクレンチ。
  • 規定トルク以上だとボルトやナット類を破損する恐れ、弱すぎると部品が脱落する危険性がある。
  • トルク設定は本体の主目盛グリップの副目盛を合わせる。
  • 締める時はゆっくりと締め、「カチッ」と鳴ったら直ぐに力を抜く。
  • Wチェックは連続で「カチカチッ」と鳴らすのではなく、その部品をとめているナット類を1巡したら、もう1巡締め忘れが無いか確認する方法で。
  • 保管時は設定トルク範囲の最低値に合わせる。

あなたのカーライフが少しでも良くなります様に。

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